金箔

金彩(きんさい)は、16世紀末の安土桃山時代に生まれたとされる日本の伝統的な染織技法です。漆や接着剤を用いて金箔を絹地に施し、布の表面に華やかな輝きを与えます。

金彩の魅力は、性質のまったく異なる二つの素材が出会うところにあります。

貴金属である金を、たんぱく質繊維である絹の上に重ねる。光を反射する金属と、光を吸収し、散らしながら柔らかく返す絹。その異なる性質がひとつの布の上で重なり合うことで、光の当たり方によって表情が大きく変化します。

布が動くたびに金の反射する角度が変わり、輝きと陰影のあいだを行き来するような、奥行きのある表情が生まれます。

日本の染織職人たちは、こうした素材の特性を何世紀にもわたって研究し、経験として蓄積してきました。金、接着剤、染料、そして絹。それぞれがどのように作用し合うのかを見極め、その組み合わせによって、平面的な一枚の布を光とともに表情を変える、動きのあるテキスタイルへと変えてきたのです。

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